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大阪医療機器協会 年頭のご挨拶
2025年「年頭のご挨拶」
一般社団法人大阪医療機器協会
会長 千種 康一
新年明けましておめでとうございます。
一般社団法人大阪医療機器協会の会長として、3回目の年頭のご挨拶です。今年もどうぞよろしくお願いいたします。本年こそは、皆様と共に元気よく乗り切っていきたいと思っております。
さて、昨年は元日の能登半島地震で始まり、その後も国内外で気候変動による大災害が相次ぎました。能登半島も集中豪雨に見舞われ、現在も復旧工事が続いています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。災害、戦争、選挙に翻弄された一年であったかもしれませんが、私たちは困難を乗り越える強さを持っています。
地球温暖化による気候変動は随分前から指摘されていますが、経済と戦争の壁により、具体的な脱炭素や温暖化対策が全世界規模で実施されていません。ウクライナやパレスチナの戦争も収束が見えず、自国ファーストな政治体制により合意点を見出せず、国連の無力さや国際的な分断が加速しそうです。しかし、この状況を変えるために、私たちは行動し続けなければなりません。
国内の景気はコロナが収束し、円安、物価高、人手不足が続いていますが、決して悪くありません。インバウンド戦略が観光業や飲食業を好調にさせています。日本は安くて、安全、高品質という評価が海外でも高く、インバウンド需要は続いています。それが日本の景気を支えています。昨年、日銀が市場介入を行い、一時円安にブレーキがかかることもありました。現在はトランプ氏の再登場により、再度米中対立の激化やアメリカ第一主義による関税政策がどうなるか不透明な状況です。世界はドル換算でGDPを比較しますが、円安による日本の順位が下がることは、日本の価値が下がったことを意味しません。むしろ、日本の価値を海外に広めるチャンスと捉えましょう。良いものは良い価値がつきます。大谷選手のように、一流のパフォーマンスを提供する日本が、世界一の医療という商品を持っています。
物価高も大変ですが、人手不足も深刻です。会社によってはせっかく雇ってもすぐに転職してしまうこともあります。働き方改革を進め、健康経営やウェルビーイングが提唱され、さらに育休、多様性対応等、どこまでも社員にやさしい会社にする必要があります。人手を確保するためには、待遇や処遇だけでなく、生きがいを持って働ける職場、少人数でも成長を続ける企業であり続けるという経営の原点を見直すことが必要です。医療機関の医師、看護師、薬剤師の不足は、社会全体の人手不足よりさらに深刻です。地方の国公立病院では医療サービスの低下も報道され、私立病院や都会の病院でも状況が悪化しています。このピンチをチャンスに変えるのがAIとDXのデジタル技術です。マイナ保険証もようやくおくすり手帳の役割を担うようになってきました。患者情報、治療情報、投薬情報が集積し紐づけられることで新しい医療、遺伝子治療、新薬開発にも利用され、日本の医療がさらに革新されるに違いありません。そこにはビジネスのチャンスも生まれます。
いよいよ万博が大阪で始まります。工事が間に合うかどうかなど様々な問題もありましたが、それを乗り越えての開催です。今以上のインバウンドも期待され、日本にとっても関西大阪にとっても大きな経済効果が期待できます。なにより近未来の生活やシステムの実験場を体験してみたいです。日本の現在と未来の実力を知ることは決して無駄にはなりません。そして自信を取り戻しましょう。
大阪医療機器協会には次世代の経営者の育成する目指志会という若手の会が有ります。私も設立時のメンバーでしたが、設立30周年となります。現在も多くの後継者や経営幹部が勉強会、親睦会、他団体との交流を行っています。設立時に比べて色々なテーマに取り組んでおり、親会はそれをサポートし、他とつなぎ、次世代につなぐ活動を続けます。「つなぐ」協会として原点を見失うことなく、持続可能な未来に向かって、「健康」「医療」「福祉」の市場に対して様々な課題解決と価値創造に挑戦していくことをお誓い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
さあ、新しい一年をスタートしましょう。